大阪の美術館あれこれ

五感を研ぎ澄ます…

藤田美術館

『藤田美術館』

財団法人藤田美術館は、大阪の旧男爵・藤田傳三郎と、その嗣子平太郎・次男徳次郎の3人によって収集された、東洋古美術を中心としたコレクションを公開する目的で、昭和26年(1951)3月に設立、同29年(1954)5月に開館しました。常設展示は行っておらず、春と秋に3か月ずつ特別展の形でのみ開館するのが特徴です。運営は、財団法人藤田美術館。藤田傳三郎(号・香雪)は、山口・萩から早くに大阪に出て、実業家として明治の経済界で活躍しました。その没後は嗣子平太郎(号・江雪)が跡を継ぎ数々の事業を成功させました。父子共に茶道・古美術に対する造詣が深く、当時の価値観や社会制度の変化から、理解や関心の薄くなった美術品が海外へ流出するのを憂い、それら美術品の保護のために尽力したのです。こうして集められた収蔵品は、国宝9点、重要文化財50点を含む5,000点を数え、その分野は絵画・書跡・陶磁器・彫刻・漆工・金工・染織・考古資料など多岐にわたり、その時代も古代~明治・大正と広く跨っています。

アートの秋

『藤田美術館』の概要

藤田美術館は大阪市都島区網島町の藤田家本邸の跡地にある、東洋古美術を中心とした大阪府の登録博物館です。藤田家本邸は、明治45年(1912年)に当地にあった大長寺の敷地を買収して建てられました。美術館正門(現在の藤田邸跡公園のゲート)は当時の山門がそのまま残っているとされていますが、実際は違い、大長寺は北に300mほどの場所に移転しました。大長寺は近松門左衛門の『心中天網島』で小春・治兵衛が心中した場所です。この時大長寺は現在地の北に300mほどの都島区中野町2丁目に移転し、小春・治兵衛を供養する比翼塚も同時に移転したのです。当美術館は昭和20年(1945)の空襲によって焼失した藤田家本邸の跡で、その時幸いにも類焼を免れた美術品収蔵庫を展示室として利用しています。例年、春季(3月中旬~6月上旬)と秋季(9月中旬~12月上旬)に開館し、それぞれ館蔵品による企画展を行っています。

『藤田美術館』の所在地

藤田家本邸の跡地に藤田美術館があります。大工棟梁・今井平七の指揮のもと建てられた藤田邸は、明治半ばの建設時、関西で最大級の和風邸宅で、邸宅内には40を越す茶室がありました。敷地内には、本邸、西邸、東邸とありましたが、東邸(現在の太閤園・淀川邸)と本邸の表門と蔵を除き、第二次大戦の空襲で焼失。現在は、京都大学の日比忠彦設計の日本最初期の鉄筋コンクリート蔵を改装した建物が展示館として使用されていますが、収蔵品の質・量に比してやや手狭であることは否めません。

『藤田美術館』の庭園

藤田邸跡の庭園は、現在は大阪市立藤田邸跡公園となっています。園内に滝を配置するなど特徴のある庭園です。この庭園は戦後放置され鬱蒼とした森となっていたのを、JR東西線建設工事時に建設基地として使われるために木が伐採され、東西線開業後に大阪市によって公園として整備されたものです。藤田邸跡公園は、隣接する桜ノ宮公園とは異なり、夕方以降は閉門され、夜間は入園することが出来ません。美術館は1年の半分は休館していますが、藤田邸跡公園は通年入場することが出来ます。

『藤田美術館』の展示形態

展示室スペース不足から、春・秋の特別展の際にのみ収蔵品を選んで展示する形態となっています。こでは古い蔵が展示館なので、収蔵品の劣化防止のために寒暖が厳しい季節に開館できないからだそうです。学芸員の藤田清は、伝三郎から数えて5代目の子孫です。

『藤田美術館』の指定文化財

国宝
  • 紙本著色紫式部日記絵詞 1巻
  • 絹本著色両部大経感得図 2幀 - 絹本著色、現在の奈良県天理市にあった廃寺・内山永久寺にあったもので、記録から保延2年(1136年)の作とわかります。数少ない平安絵画の基準作として貴重です。
  • 紙本著色玄奘三蔵絵(法相宗秘事絵詞)12巻
  • 紙本墨画柴門新月図 - 水墨画とそれを題材にした詩文が同じ紙面に表された、いわゆる「詩画軸」の最古の作品として著名。
  • 曜変天目茶碗
  • 仏功徳蒔絵経箱
  • 花蝶蒔絵挟軾(かちょうまきえ きょうしょく)
  • 大般若経(薬師寺経)387巻
  • 深窓秘抄(百一首) 1巻 平安時代 高野切第1種系統の古筆
重要文化財
仏画・垂迹画
  • 絹本著色華厳五十五所絵 2面
  • 絹本著色十六羅漢図 詫磨栄賀筆 16幀 
  • 絹本著色春日明神影向図 高階隆兼筆 
  • 絹本著色普賢十羅刹女像
  • 絹本著色薬師三尊十二神将像
  • 絹本著色羅漢図 10幅
大和絵・絵巻
  • 紙本淡彩駿牛図断簡
  • 紙本著色阿字義 1巻
  • 紙本著色華厳五十五所絵巻残闕(十廻向十段)
  • 紙本著色浄土五祖絵(道綽巻、善導巻)2巻
  • 紙本著色大伴家持像(上畳本三十六歌仙切)
  • 著色絵料紙墨書法華経 巻第六残闕(扇面法華経冊子)
水墨画
  • 紙本墨書題雪舟山水図詩 了庵桂悟筆 附:絹本著色雪舟自画像(模本)1幅
彫刻
  • 木造地蔵菩薩立像 1躯 快慶作
陶磁
  • 菊花天目茶碗
  • 肩衝茶入(在中庵)瀬戸 
  • 御所丸黒刷毛茶碗(夕陽)
  • 耳付花生(寿老人)伊賀 
  • 白縁油滴天目鉢
  • 色絵輪宝羯磨文香炉 仁清作 明暦三年銘
  • 銹絵絵替角皿 尾形乾山作 尾形光琳画
金工
  • 金銅装獅子宝相華文説相箱
  • 金銅柄香炉
  • 金銅密教法具 一括
染織
  • 刺繍釈迦阿弥陀二尊像掛幅
  • 錦幡 赤地蓮花蝶文 3旒(りゅう)
  • 金銅荘唐組垂飾
その他工芸品
  • 唐鞍
  • 綾張竹華籠(けこ) 12枚
  • 山水蒔絵手箱 銘鹿苑寺 
  • 小太刀 銘国行 
仏典
  • 紫紙金字華厳経 巻第六十二
  • 十住経巻第三(中聖武)
  • 法華経勧発品(装飾経)
  • 法華経巻第六 万里小路宣房筆
  • 金光明最勝王経註釈 巻第二残巻(飯室切)
古筆類
  • 熊野懐紙 久我通親筆(山路眺望・暮里神楽)
  • 継色紙(つくはねの)
  • 古今和歌集巻第十八断簡(高野切)(むねをかの)
  • 古今和歌集断簡(筋切8葉 通切2葉 )
  • 治承二年賀茂社歌合
  • 十五番歌合断簡(素性)
  • 朝忠集(八枚)
  • 藤原藤房自筆書状(七月廿五日) 
墨蹟
  • 大燈国師墨蹟 七言偈 
  • 月江正印墨蹟 送別偈 
  • 物初大観墨蹟 山隠語(絹本) 咸淳戊辰春
  • 別山祖智墨蹟 法語 宝祐丁巳(五)
  • 溪西広沢墨蹟 与白雲慧暁偈語 咸淳己巳(五)上元後二日
考古資料
  • 歯車形碧玉製品 大阪府南河内郡国分町(現・柏原市)出土
  • 埴製枕 奈良県天理市中山町燈籠塚古墳出土
その他所蔵品
  • 萩流水図屏風 尾形光琳筆
  • 相撲絵巻 冷泉為恭筆
  • 狂雲集 一休宗純編
  • 宝船置物(加賀前田家伝来) 伝野々村仁清作
  • 中蓮華左右藤花楓葉図 本阿弥光甫筆
  • 平石如砥墨蹟 平石如砥筆
  • 大獅子図 竹内栖鳳筆

『藤田美術館』のアクセス(鉄道)

JR東西線 大阪城北詰駅

『藤田美術館』のアクセス(バス)

大阪市営バス 片町停留所 大阪市営地下鉄・京阪電鉄 天満橋駅から28・31・46・110系統で約4分

大阪市営地下鉄 都島駅から110系統で約10分

『藤田美術館』のアクセス(道路)

  • 阪神高速12号守口線 南森町出入口

『藤田美術館』の周辺情報

  • 桜之宮公園
  • 大阪市長公館
  • 大阪ビジネスパーク(OBP)
  • 大阪城公園
  • 造幣局
絵画教室に通いませんか?
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